ピーヨちゃんの墓を建てる

ゴーヤのカーテンを作って、ささやかにゴーヤが獲れる季節になった。
よくゴーヤの鉢の横から、一匹のスズメが飛び去るのを目撃していた。
ゴーヤの鉢の横に、何かスズメにとっていいことがあるのかな、と思っていた。

すると、この台風の朝にダンナが言う。
「ゴーヤの鉢の横にスズメがうずくまってる」

見ると確かに、雨に塗れて弱ったスズメが、震えながらうずくまっていた。
「どうしよう、家の中に入れてあげようか」
と、ダンナ。しかし野性のスズメを家の中に入れるのが果たしていいのか。

そうしていつの間にか我々は、スズメくんを「ピーヨちゃん」という勝手な名で呼ぶようになった。
ピーヨちゃんにいったい何があったのか。暴風にあおられて、したたかどこかにぶつかって怪我でもしたのか。
一応、外とはいえ屋根の下なので、ピーヨちゃんはそのままそっとしておいて、皿に水を入れて、米粒をピーヨちゃんの周りに置いて、しばらく様子を見ようということになった。

が、台風が到来しつつあるこの昼過ぎに、私が外出先から帰ってきて見ると、ピーヨちゃんはそのままで腹を向けて横たわっていた。
いつもいつも、いったい、ゴーヤの鉢の横には、何があったんだい。今日は大荒れの天気の下で、ピーヨちゃん、大変だったろう。

吹きすさぶ暴風雨の下、園芸用のスコップで、いつもピーヨちゃんが来ていたあたり、狭い庭の片隅を掘り、ピーヨちゃんを葬った。
そして、丸いキレイめの石を拾って、ピーヨちゃんの墓石にした。
南無阿弥陀仏。


さてこんな時、ピーヨちゃんにとって、我々が尽くせるベストな方法とは、何であったのか。

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